【一分雑学】江戸っ子が『宵越しの金を持たない』理由とは
「宵越しの金を持たない」という言葉は、威勢の良い江戸っ子が言い放っているイメージがあります。
ご存知の通り、この言葉の意味は『その日稼いだ金はその日に使ってしまう』ということで、実は江戸時代頃からあります。
ところで、江戸時代の人はなぜ宵越しの金を持たなかったのでしょう?
江戸時代の町人が『宵越しの金を持たない』理由
結論から言うと、
・その日その日で生活費を稼ぐことができた
・火事が多かったから
があります。
以下、少し解説を加えます。
その日その日で生活費を稼げた
江戸は貨幣経済が発達し、その日に労働して稼ぐことができたということが大きな理由の一つです。その結果、お金をたくさん貯めておかなくても困ったら働けばいいという考えで、娯楽や趣味を楽しむ人が多かったようです。
火事が多かったから
『火事と喧嘩は江戸の華』という言葉があった通り、江戸では頻繁に火事が起こっていました。
一旦、火事になると全てを失うことにもなりかねないわけですから、普段からお金や物を溜め込むというようなことはあまり考えなかったというのが実情のようです。
あくまで江戸においてのことですが、昭和期以降の『日本人は貯金を美徳とし云々』というのとは大きく違いがありますね。