【一分雑学】アダムとイブがかじったのはリンゴではない?
旧約聖書で人間の祖とされるアダムとイブがエデンの園から追放されることになったのは禁断の果実を口にしたからとなっています。
私たちはこの『禁断の果実』をリンゴだと思っていますが、実はそうではないという説があります。
禁断の果実はリンゴじゃない?
実は、旧約聖書創世記第3章には単に『善悪を知る木』としか書いていません。
つまり、リンゴと明記されているわけではないのです。
そして当時、エデンの園が現在のイスラエル付近にあったとするなら乾燥した気候なので、寒い地域で育つリンゴの栽培には適していないということになります。
そこで、アダムとイブが身体を隠したのがイチジクの葉だったことからイチジクの実だったのではないか、という説があります。
また、東欧のスラブ語圏ではブドウとされることが多いようです。
以下、なぜリンゴとされるようになったのか掘り下げです。
なぜ禁断の果実=リンゴとされたのか?
以下の3つの説があります。
①誤訳による説
聖書をギリシャ語に翻訳する際、りんごの木の下のシーンで出てくる「産みの苦しみをなし」という言葉を「堕落した」と訳してしまったことから、りんごから堕落を連想させ、知恵の樹・善悪の知識の樹になった禁断の果実だと考えられたと言われています。
②ギリシャ神話の影響
ギリシャ神話ではリンゴは魅惑の象徴とされていました。この影響から、「禁断の果実=リンゴ」という説が広まった可能性があります。
③ラテン語の誤読
ラテン語で「善悪の知識の木」の「悪」の部分にあたる「malus」が「リンゴ」を意味する言葉として誤読されたことがあります。この誤読が、禁断の果実をリンゴとする解釈が主流となった一因とされています。