【一分雑学】『源氏物語』は書かれた当時ベストセラーだった?
紫式部が書いた『源氏物語』は1000年の時を経て現代にも伝わっている歴史上の有名な作品です。
ところで、この源氏物語、執筆当時はどれくらいの人に読まれていたのでしょう。
源氏物語はベストセラーだったか?
結論から言うと、
最大でも当時の読者は数百人
でした。
以下、少し説明を加えます。
当時の読書状況と識字率の関係で・・・
紫式部が源氏物語を執筆したのは1000年頃とされています。
グーテンベルクが印刷術を発明したのは1450年頃とされていますので、平安時代に紫式部が源氏物語を書いたころはまだ人間の手によって一冊一冊書き写され、その写本が回し読みされているという状況でした。
そこから推定すると、源氏物語の写本はせいぜい数十部で、それを回し読みしていたとしても数百人くらいの読者だったと考えられます。
確実に読者だったと考えられるのは当時の一条天皇と皇后の中宮彰子、摂政の藤原道長、当時のインテリの代表格だった藤原公任あたりでしょう。
庶民はもちろん源氏物語の存在を知りませんし、貴族周辺の人でも文字を読めない人もいたでしょうから読者は限られていたと推測できます。