【一分雑学】ジーンズ誕生秘話① ズボンに鋲(びょう)を打ちつけた人の話
呼び名はいくつかあるものの、ジーンズといえば、多くの人はデニムで作られたズボンのことを思い浮かべると思います。
そんなジーンズの特徴といえば
- (14オンス前後の)ブルーデニムを使用していること
- ファイブポケット(前に2つ、後ろに2つ、前右側のウォッチポケット)
- カパーリヴェット(補強用の銅製の鋲)
の3つが挙げられると思います。
この最後のリヴェットを打ち込んだことが当時としては革新的だったのですが、どういう経緯だったのでしょう?
ヤコブ・デービスの仕立屋を訪れたひとりの女性
有名な話ですが、ラトヴィア共和国生まれのユダヤ系移民だったヤコブ・デービス(ジェイコブ・デイヴィス)という人が、ズボンに鋲を打って補強するという方法を編み出したとされています。
1870年12月のある日、ネヴァダ州リーノという町でささやかな仕立屋を開いていたデービスの下に、ひとりの女性が訪ねてきます。
「主人のために丈夫な作業ズボンを作ってもらえませんか?」
「本人が来ないことには寸法がわからない。この紐で身体の要所の印をつけてきてください」
そうデービスは答えます。
女性は寸法を測って、再びデービスの仕立て屋を訪れ、三ドルという値段で作業ズボンを注文します。
偶然から生まれた作業ズボンへの鋲打ち
デービスはすぐに仕事にとりかかります。
幌馬車の幌やテントに用いられていた生成り色の10オンスのキャンヴァス地で、丈夫な作業ズボンを仕立て上げました。
仕上がったとき、偶然にも作業台の隅に鋲が転がっていました。馬の背の覆いなどを作るときにもよく使っていたそれを見て、
「ポケットのあたりなどよく破けるんです」
と言っていた女性のことを思い出します。
「そうだ。この鋲をポケットの開口部に打ちつければ」
デービスはひらめき、それを実行に移しました。
こうして、ジーンズの原型となる鋲が打たれた作業ズボンが誕生します。
そのジーンズの原型がリーバイスとどう関わるのかは別記事で。