【一分雑学】古墳時代の遺体に『北枕』が多いのはなぜ?
古墳時代といえば、どこまで含めるかによって違いはあるものの、およそ3~7世紀くらいを指します。
かの有名な前方後円墳などが多く造られた時代です。
実はこの古墳、方位を意識して造られているって知ってました?
なぜ古墳の被葬者は『北枕』なの?
結論から言うと、3つの説があります。
① 風水の影響
② 宗教(もしかしたら仏教)の影響
③ 中国文化の影響
以下、少し説明を加えます。
① 風水の影響
ご存知の通り、風水(ふうすい)の考え方によると、人間の体は自然のエネルギーと関連しています。
特定の方向に寝ることで健康や運気に影響があるとされています。
古墳時代においても、この風水の影響があったと考えられ、北枕が長寿や安寧をもたらすと信じられていた可能性があります。
② 宗教(もしかしたら仏教)の影響
古代日本においてはアニミズム(全てのものに霊魂が宿る)的な宗教がありましたが、それに類する土着の宗教において『北枕』に意味があったのかもしれません。
また、中国から日本へ本格的に仏教が伝わるのは飛鳥時代(6~7世紀)とされますが、全く仏教を知らなかったわけではなさそうです。その証拠に4世紀後半の古墳には仏像を刻んだ銅鏡が埋められていました。
『お釈迦様が亡くなったとき、北枕にされていた』という話が伝わっていた可能性はあります。
③ 中国文化の影響
中国には漢の時代から頭を北にして埋葬するという風習があったそうです。
その方式が日本に伝わった可能性があります。
まとめ
①~③を見ると、海外からの影響の可能性が高いことがわかります。
というのも、弥生時代までの首長墓では頭を北にするという習慣が見られないからです。
なお、古墳時代のお墓は、向きが北東や北西など多少のバラつきがあるそうです。