【一分雑学】正月って死霊のための行事って本当?
「正月の儀式はすべて死霊のためにある」と言ったら驚くでしょうか?
正月は新しく始まる年のための華々しい行事、お祝いというように考えられがちですが、実は霊のための行事であることが見落とされています。
正月は霊のための行事とは
結論から言うと、
正月は元々、新年の始まりに家を訪れる『歳神様』をお迎えし、慰霊する行事だった
からです。
以下、少し説明を加えます。
正月は元々、お盆と同じく慰霊行事だった
正月は『歳神様』を迎えると上述しましたが、先祖の霊であるとされる地方が多いようです。
歳神様を迎えるために掃除し、飾り立て、家族親戚が揃い、正装して神棚に祈る姿は慰霊の儀式そのものです。
つまり、お盆と同じような行事だったのですが、次第に、新年のお祝いと、次の一年の無病息災を願うものに変化していったそうです。
正月の間、死霊が宿る依代(よりしろ)が門松で、注連縄(しめなわ)を張ることで『霊域』を作り、死霊が滞在できるようにします。(注連縄はあの世とこの世との境界線)
こうして招いた霊に、一年の幸福と豊作を祈る。
これが元々の正月の形でした。
今はそういった意味合いは薄れていますが、日本人の死生観を考えると、元々そうであったとしても不思議ではないですよね。