【一分雑学】お地蔵様を手短に説明してみる
日本人に最も身近な信仰対象といえば、お地蔵様ではないでしょうか?
道端に立っていることがありますし、柔和な表情で親しみやすく、そのせいか昔話や絵本にもよく登場するということもあるからです。
ところで、このお地蔵様って神様なのか仏様なのか、それともどちらでもないのか、そして何のために道端に立っているかご存知ですか?
お地蔵様は仏様
結論から言うと、お地蔵様は
正しくは地蔵菩薩という名前で、子どもを守ってくれる仏様
として信仰されています。
また、道端でよく見かけるのは、
日本古来の道祖神信仰と結びつき、旅の安全や外からの災いを避ける
という役割も持たされたからです。
以下、少し説明を加えます。
お地蔵様はインド生まれの仏様
地蔵菩薩は古代インドの地母神『クシティ・ガルパ』(大地の子宮という意味)がもとになっています。
仏教が日本に伝わる過程で、土着の風習と交じり合って子どもを守ってくれる仏様となりました。
また、水子(流産や中絶で死んでしまった胎児)を供養する思想と結びついたことで、慰霊のために水子地蔵を祀る習慣が日本各地で根付いています。
お地蔵様は元々、地獄で子どもに手を差し伸べていた
親より先に死んだ子供たちは成仏してあの世に行くこともできず、賽の河原(三途の川のほとり)で延々と石を積んで塔を作るという罰を与えられると考えられていました。
この地獄に手を差し伸べて子どもたちの霊魂を救ってくれるのが、お地蔵様でした。
だから親たちは子どもたちの赤いよだれかけをお地蔵さまに託したわけです。
赤は『赤ちゃん』というように無垢の証であり、太陽の色、命の色だから選ばれていたといいます。