【一分雑学】ピーコート(Pコート)の起源、名前の由来とは
ピーコート(Pea Coat)は、現在では冬の定番アウターとして世界中で愛されるファッションアイテムです。
そのシンプルかつエレガントなデザインは、カジュアルからフォーマルまで幅広いシーンで活躍しています。
結論から言うと
17世紀のヨーロッパで発祥、名前の由来はオランダ語の『pije(粗い生地)』
と言われています。
以下、説明を加えます。
ピーコートの起源
ピーコートは、17世紀のヨーロッパで生まれたと言われていますが、その起源を具体的に特定するのは難しいです。
一説によると、1720年頃に『ピーイエッケル』という、船員が漁師が着用する服があったようで、それを海軍用に手直ししたものが起源だと言われています。
そのため主に海軍で着用されていたことから、「海軍用コート」として知られるようになりました。
「Pea Coat」の「Pea」は、オランダ語の「pije(粗い生地)」から来ており、この名の通り、厚手で耐久性のあるウール素材が使用されていました。
寒さや風雨を防ぐため、海上で働く水夫たちにとってピーコートは非常に実用的なアイテムだったのです。
軍服としてのピーコート
ピーコートが最も広く使われたのは、19世紀から20世紀にかけての時期で、イギリスやアメリカの海軍で公式の軍服として採用されました。
(19世紀前半に英国海軍に艦上作業着として採用されたのが初めてだという説があります)
特徴的なダブルブレスト(前を二重に重ねて閉じる)デザインや大きなボタンは、船上で風の強い状況でも冷気が入りにくく(風向きに合わせ、左右どちらの前合わせもできる)、動きやすさを確保するために工夫されたものです。
また、ショート丈のデザインは、作業中に邪魔にならないように考慮されていました。
ファッションアイテムとしてのピーコート
第二次世界大戦後、余剰の軍用衣類が市場に出回り、多くの市民が軍服を日常のファッションに取り入れるようになりました。
1950年代から60年代にかけて、特にアメリカやヨーロッパの若者文化でピーコートが広まりました。
シンプルで洗練されたデザインは、ロックンロールやビート文化とも相性が良く、芸術家や音楽家たちにも愛用されました。
例えば、イギリスの有名なバンド「ビートルズ」のメンバーがピーコートを着ていたことでも知られ、その影響でピーコートはファッションシーンにおいて定番のアイテムとなりました。