【一分雑学】ロダンの『考える人』は考えていない
うつむき加減で顎に手をやり、じっと考えこむようなポーズをとっている彫刻を誰もが見たことあるのではないでしょうか?
オーギュスト・ロダンの代表作『考える人』です。
ところで、この彫刻は何かを考えているわけではないということをご存知ですか?
ロダンの『考える人』は何をしているところなのか?
結論から言うと、
地獄の門(地獄への入り口)へ落ちていく罪人を上から見下ろしている
が正解です。
以下、少し解説します。
像の男性は作品の一部
実は、この男性の像は『地獄の門』という作品の一部です。
なのに、なぜ『考える人』というタイトルになっているかというと、ロダン本人が名付けたわけではないからです。
タイトルをつけたのは、ロダンの作品の鋳造を多く手がけたアレクシス・リュディエという人物です。
地獄の門という作品の一部である男性の像を単体で発表することになったときも、リュディエが鋳造を受けました。
そして、そのときリュディエはこの像が生まれた経緯を知らなかったので『何かを考えている図』だと勘違いして『考える人』とタイトルをつけてしまったそうです。