コーヒーの歴史を振り返る(1) 発祥から15世紀頃まで
2016/01/18
コーヒーの歴史を振り返るにあたって、その発祥については数々の逸話が存在します。
その中でも有力であるとされている説は大きく分けて二つに分けられます。
エチオピア発祥説
まず一つ目は、エチオピアが発祥であるといった説です。
これはレバノンの言語学者であるファウスト・ナイロニが自身の著書にて記したものです。
6世紀のエチオピアにおいて、あるとき山羊飼いのカルディが、放し飼いにしていた山羊たちが昼夜を問わずかなりの興奮状態である事に気づいたそうです。
その原因を調べた結果、丘に自生してる赤い実を山羊たちが食べていた事を発見しました。
それが後にコーヒー豆として知られるものだったという説です。
それを聞いた修道僧たちが赤い実を食べてみた結果、彼らも山羊同様、気分が優れ、元気になりました。
そしてこの赤い実のおかげで、眠気に悩まされる修道僧はいなくなったといいます。
アラビア発祥説
二つ目は、アラビアが発祥であるといった説です。
これは回教徒であるアブダル・カディが自身の著書にて記したものです。
13世紀のイエメンにおいて、回教僧であるシェーク・オマールが冤罪によりオーサバという土地へ追放され、食べる物もなく途方に暮れていたところに、鳥が赤い実を食べているのを見つけます。
シェーク・オマールはその赤い実をもぎ取り、煮詰めてみたところ、その液体から独特の匂いが漂い、飲んでみたところ体の疲労が消え去り、体力が回復しました。
回教徒であると同時に医師でもあったシェーク・オマールは、その赤い実を病に苦しむ人々にも分け与えました。
それが多くの病人を救い、その功績が認められて罪から解放され、後にオマールは聖人として祀られました。
どちらの説も有名であり、どちらかが正しいとは断言できませんが、現代においてはエチオピア発祥の説をより有力なものとして捉えられているようです。
15世紀までのコーヒー文化の広がり
その後、コーヒーが人々に愛飲されるようになったのは、10世紀始めあたりからであると言われています。
これはアラビアで医業を営んでいた医師が、コーヒーの実を薬として使用していたと記しているからです。
そして、より本格的に飲まれるようになったのは、13世紀の始めであるとされています。
この頃になると、露店などで積極的に販売されるようになったようです。
更には14世紀の中ごろには世界で初めてのコーヒー店、【カーネス】がコンスタンチノーブルにて開店されます。
その後、トルコ、ヨーロッパでも愛飲されていくようになり、コーヒー文化が世界的に広がりを見せるようになります。
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