【一分雑学】米国マフィア、ラッキー・ルチアーノについて手短に説明①
チャールズ・『ラッキー』・ルチアーノ( Charles “Lucky” Luciano)ことサルヴァトーレ・ルカーニア。
マフィアに興味がない人でも、どこかで名前を耳にしたことがあるかもしれません。
何度も映画やドラマで取り上げられたことが、その大きな理由だと思います。
チャールズ・『ラッキー』・ルチアーノを一行で表すと
イタリア系犯罪組織のコーザ・ノストラの最高幹部であり、マフィアの古いしきたりをやめてビジネスとして合理的に犯罪を行った革新的な人物。
ラッキー・ルチアーノは映画『ゴッドファーザー』のモデルの一人
映画内のいくつかのシーンに影響を与えています。
例えば、五大ファミリーのボスが次々に暗殺されるシーンは、彼率いる新世代マフィアが旧世代のボス50人を一晩のうちに暗殺したシチリアの晩祷の夜が(※)がモデルとなっています。
※シチリアの晩祷の夜は尾ひれがついて語られています。実際は一夜の出来事ではなく、また50人も殺していないとされています
周りにいた人物もマフィアの大立者
■ マイヤー・ランスキー
ルチアーノのブレーンであり、金儲けの天才。ユダヤ系ロシア人。14歳の頃(ルチアーノ19歳時)に知り合う。
■ ベンジャミン・『バグジー』・シーゲル
元々、ランスキーの知り合い。『ラスベガスを作った男』。
■ フランク・コステロ
本名フランチェスコ・カスティーリャ。『暗黒街の首相』と呼ばれ、ルチアーノとは禁酒法時代の酒の密輸で関係を持つ。一時、ルチアーノの相談役。ルチアーノの逮捕時に一家の代理ボスとなり、ルチアーノの国外退去に伴い、正式なボスに。
以上、3人が初期のルチアーノ一家。
他にも、以下のマフィアの大立者と関わりがあった。
■ ジョー・アドニス・・・ルチアーノ一家幹部
■ ヴィト・ジェノヴェーゼ・・・後にルチアーノ一家の副ボス、ボス
■ カルロ・ガンビーノ・・・ヘロイン密輸で共謀。後にニューヨーク五大ファミリーの一つ、ガンビーノ一家のボス
■ アルバート・アナスタシア・・・マンガーノ一家(後にガンビーノ一家となる)のボス
■ ルイス・『レプキ』・バカルター・・・ユダヤ系ギャングスタ―。ギャングの大物ボスで死刑となった最初で最後の人物。マーダー・インクという暗殺部隊をシーゲルから引継ぎ、取り仕切った
■ ダッチ・シュルツ・・・ニューヨークのギャング。ブロンクスや、ハーレムなどのマンハッタンエリアを支配していた
シカゴのギャング、アル・カポネとの関係
アル・カポネはシカゴを牛耳ったギャング。
ルチアーノが少年時代から友誼を結ぶ。ニューヨークの警察がカポネを捕まえようとしていると聞きつけたルチアーノは彼に知らせ、シカゴへ移住するときは餞別を送りました。
また、シカゴの大ボス、ジョニー・トーリオ(ジョニー・ザ・フォックス)に連絡してカポネを雇ってくれるよう頼んだそうです。
ラッキー・ルチアーノという通称の元となったのは?
サルヴァトーレ・ルカーニアが本名ですが、チャールズ・ルチアーノと名乗っていました。
サルヴァトーレ ⇒ 服役中にサルヴァトーレをサリーちゃんとからかわれたので、『チャールズ』を名乗るように
ルカーニア ⇒ イタリア系以外の者が正式な発音をできなかった。『ルチアーノ』を偽名として用いたら、発音しやすかったのでそれを通称にした
通称である『ラッキー』は数々の危機的な状況を生き延びたことからだと言われています。
中でも、1929年ニューヨークのマフィア同士の縄張り争いに巻き込まれ、一方の大親分に呼び出され、傘下につくよう脅されますが、それを断り、ナイフで切りつけられ、集団で暴行された後、路地裏に放置されますが、運良く巡回中の警官に発見され、命をとりとめます。
このことから『なんて幸運な男だ』ということで『ラッキー』の異名がついたそうです。
その後、マスコミやエンターテインメント界が取り上げたこともその名前が知られるようになった要因だと思います。