【一分雑学】哲学、理性、藝術、知識などの言葉を作った人物とは?
『哲学』と聞いて思い浮かべるのは、ソクラテスやプラトン、アリストテレスといったギリシア哲学者たちでしょうか。それとも、いわゆる東洋哲学とされる儒教や道教などを思い浮かべるでしょうか?
いずれにせよ、私たちは『哲学』という言葉に、ある一定の共通理解を持っていると思います。
しかし、この言葉が実は意外と最近作られたものだと知っていましたか?
哲学などの言葉を考案した人物とは・・・
結論から言うと
西周(にしあまね)(1829~1897)
です。
以下、少し説明を加えます。
西周(にしあまね)とは
西周は日本の啓蒙思想家であり、西洋哲学者でもありました。
現在の島根県津和野町(江戸時代当時は津和野藩)生まれの西は、藩校で学んだ後、1862年に江戸幕府の命令でオランダへ留学し、哲学や経済学、国際法などを学んで帰国しました。
明治になってからは、兵部省(のちの陸軍省)に出仕し、軍人勅諭や軍人訓戒の起草に関係。
文部省や宮内省、元老院などの公務も兼任した後、啓蒙家として西洋哲学の翻訳・紹介をし、哲学の基礎を築きました。
ちなみに、直接的な血のつながりはないものの、森鴎外(医者・舞姫、山椒大夫などの著者)とは親族でした。
他に西周が考案した言葉
哲学、理性、藝術、知識の他、下記も西周が考案したものだと言われています。
「科學(科学)」「技術」「心理学」「意識」「概念」「帰納」「演繹」「定義」「命題」「分解」「主観」「客観」など
ちなみに、philosophyを日本語にした『哲学』という訳語は、漢字の本場である中国にも逆輸入の形で導入され、使われています。
(※中国には元々、philosophyを訳した希哲学という言葉があったそうで、西周はそこから拝借したのではないかと言われています)