コーヒー豆の美味しい焙煎方法 度合いの8段階と味の特徴
コーヒー豆を『焙煎する』とは生豆を火で煎ることです。
収穫したての生豆は味や香りがほとんどありません。
生豆から抽出して淹れたものを飲めないことはありませんが、味は焙煎したものに比べると数段落ちます。
生豆を焙煎することで水分を飛ばし、味や香りを深めることで美味しく飲めるようになります。
よって焙煎はコーヒーの味を決める重要なポイントです。
よく言われる焙煎の度合いは『浅煎り』『中煎り』『深煎り』の3つですが、より細かく分けると8つの段階になります。
以下に詳しく説明します。
煎る時間は一番上のライトローストが最も短く、一番下のイタリアンローストに近づくにつれて長くなります。
よって色もだんだんと濃い色になり、酸味が抜けて苦味を感じるようになります。
浅煎り
浅煎りはライト・シナモンの段階を指します。
酸味が強く、苦味が弱いのが特徴です。
ライトロースト
ライトローストは最も火を煎る時間が短く、うっすらと焦げ目が付いた程度です。
黄色がかった小麦色をしており、コクが不十分とされます。
シナモンロースト
シナモンローストは名前の通りシナモン色をしており、非常に浅い煎り方で、ブラックコーヒーに使います。
浅煎りに使われる豆の主な産地
キューバ、キリマンジャロ、ハイチですが、浅煎りはテスト用に使われることが多いです。
浅煎りを勧めないお店も多くあります。
中煎り
豆そのものの個性が出やすいので、どんな豆にも合う焙煎段階が中煎りです。
ミディアムロースト
茶褐色のミディアムローストはアメリカン・タイプの味です。
酸味が強く苦味は多少ありますが、それほど気になりません。
煎る時に十分に水分を抜かないと渋みが残ることがあります。
ハイロースト
ミディアムをやや深く煎ったのがハイローストで、喫茶店や家庭で飲まれるコーヒーの味です。
酸味が抑えられて、苦味や甘味が出ます。
シティロースト
最も標準的な煎り方のシティローストは、酸味と苦味のバランスがちょうど良く鮮やかなコーヒーブラウン色をしています。
日本や北欧で好まれ、様々なコーヒーに使うことができる段階です。
シティとはニューヨークシティから来ています。
中煎りに使われる豆の主な産地
エチオピア、グアテマラ、コスタリカ、コロンビア、キューバ、タンザニア、ハイチ、ブラジル、ブルーマウンテン
深煎り
焙煎が進むと上質な苦味が増し、酸味は弱くなります。
フルシティロースト
フルシティローストはダークブラウンで、アイスコーヒー用の豆です。
炭焼珈琲タイプもこの段階を使ったものが多く、ホテルやレストランの食後に出されるコーヒーにも使われています。
少し高級感があり、家庭とは違ったコーヒーの味がします。コーヒー豆に表面に油が出ており、酸味が少なくなって苦味が強くなります。
フレンチロースト
フレンチローストは苦味が強くて独特の香りがあります。カフェオレやウィンナーコーヒーなどヨーロピアンスタイルをアレンジする時にぴったりです。
この段階になると酸味はほとんどありません。
イタリアンロースト
最も黒いイタリアンローストは、強い苦味や濃厚な味わいが特徴的です。
最も深い煎り方をしており、焙煎時のピチピチという音が完全に終わった段階です。
エスプレッソやカプチーノに使います。
油でテカテカしていて、酸味が全くなく苦味を楽しめます。
深煎りに使われる豆の主な産地
インド、ケニア、ブラジル、インドネシア(マンデリン)、パプアニューギニア、ボリビアなど